かいじゅうたちのいるところ


 かいじゅうたちのいるところ
 (原題:Where the Wild Things Are)
 製作:2009年
 監督:スパイク・ジョーンズ
 出演:マックス・レコーズ、キャサリン・キーナー、マーク・ラファロ

**ストーリー**
やんちゃな8歳の少年マックスは、シングルマザーの母と姉との3人暮らし。最近、姉も母もかまってくれず寂しさがつのるマックス。ある日、大好きなオオカミの着ぐるみを着て悪さをしていたマックスは、ついに母を激怒させてしまう。自分の気持ちを分かってくれない悔しさから、マックスはそのまま家を飛び出してしまう。無我夢中のままボートに乗り込み、大海原へとこぎ出してしまったマックスは、やがてどこかの島へとたどり着く。なんとそこには、大きな体をした不思議なかいじゅうたちがいっぱいいた。そして、ひょんな成り行きから王様として迎えられたマックス。さっそく、みんなが幸せになれる王国づくりに乗り出すのだったが…。


**感想**(ネタバレあり)
★★★★☆
マックスを演じたマックス・レコーズがめちゃめちゃ可愛かった。
そしてこの映画で一番印象に残っているのが音楽と映像!音楽がとても心地よくどことなく懐かしい。映像は明るい色はなくて終始暗い感じなんだけど、凄く綺麗で落ち着く。かいじゅうたちも決して可愛いとは言えないんだけれども、それぞれの性格を知るととても愛おしく思える。
絵本を基に作られた映画だが、子供向けというよりは大人向けな気がする。むしろ子供が観ても理解できないと思う。
マックスが出会うかいじゅうたちはそれぞれマックスの色々な面が投影されていると思う。それが一番出ているのがキャロルであり、マックスもどうもキャロルと一番仲良しな様子。あとから考えると、もしかしたらマックスの周りの人々もかいじゅうたちに表れているかもしれないと思うけど・・。
何か問題が発生しても話し合いをしたり謝ったりせず、物を壊したり、戦争ごっこをしたりとすぐに暴力に解決を委ねるところが子供っぽいというか、マックスの現状をよく映しだしていた。でも結局問題を根本からは解決していないのでまたすぐにまた関係が崩れる。
そんなかいじゅうたちとの交流を通してマックスは自分を客観的に見つめ、成長する。You're out of control!という台詞がとても印象的。
ただ最後、何も解決せずにいきなり帰ってしまうので、その後の国がどうなったのか気になる。マックスと共に成長したのであれば取り合えず大丈夫かなという感じだが。

でも結局マックスがこういう行動に走っているのって、お母さんが大好きだったり、お姉ちゃんが大好きだからであって、凄く可愛らしかった。ハートがよく出ているのはそれをよく表していると思う。