英国王のスピーチ


 英国王のスピーチ
 (原題:The King's Speech)
 製作:2010年
 監督:トム・フーパー
 出演:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター、ガイ・ピアース

**ストーリー**
英国王ジョージ5世の次男ジョージ6世は、幼い頃から吃音というコンプレックスを抱え、人前に出ることを極端に恐れる内向的な性格となり、成人してからも自分を否定し続ける人生を送っていた。吃音を克服すべく、何人もの言語聴覚士の治療を受けるものの一向に改善の兆しは見られない。そんな夫を心配する妻エリザベスが最後に頼ったのはスピーチ矯正の専門家というオーストラリア人のライオネル。彼は王子に対しても遠慮のない物言いで次々と風変わりな治療法を実践していく。そんな中、国王に即位した兄エドワード8世が、王室が認めない女性との愛を貫き、突如王位を返上してしまう。王位の継承など考えてもいなかったジョージは、最も恐れていた事態に直面し、恐怖のあまり泣き崩れてしまうが…。


**感想**(ネタバレあり)
★★★★★
第83回アカデミー賞作品賞受賞作。
もっと堅苦しい映画かと思ったら、全然そんなことはなく、とても楽しめる作品だった。そしてイギリス王室にも興味が沸いてきた。
淡々と進む映画なんだけど、退屈ではなく、不思議と映画の世界観に引き込まれます。
クスッと笑えるシーンもあり、特に印象に残っているのが、バーティがクソとかFワードを連発していて、最後に一言、tits(オッパイ)と言ったシーン。これは思わず笑ってしまった。
たまにバーティがライオネルにひどいことを言ったりしたときのライオネルの切なそうな表情が本当に悲しかった。でもそんなバーティとライオナルの間に生まれる絆がとてもよかった。
そしてなんといっても最後の開戦宣言のシーン。バーティの緊張と想い、そんなバーティを信じて見守るライオネル、戦争という恐怖を目の前に、バーティの言葉に耳を傾ける国民の想いなどなど、重圧感があり、胸が締め付けられた。
そのあといかにも机でスピーチしました、というような写真を撮影していたのは面白かったけどw

歴史あるアカデミー賞の作品賞にふさわしいではないでしょうか。
バーティ(ジョージ6世)を演じて、主演男優賞を受賞したコリン・ファースももちろん素晴らしかった。あのどもりの演技がとてもよかった。