プレシャス
1987年のニューヨーク、ハーレム。16歳のプレシャスは、極度の肥満体型のうえ読み書きも出来ず孤独に堪え忍ぶ日々。“貴い”という名前とは裏腹の過酷な毎日だった。この年齢にして２度目の妊娠。どちらも彼女の父親によるレイプが原因。失業中の母親は、そんなプレシャスを容赦なく虐待し続ける。妊娠が理由で学校を停学になった彼女は、校長の勧めでフリースクールに通うことに。彼女はそこで若い女性教師レインと運命的な出会いを果たす。彼女の親身な指導のおかげで読み書きを覚え、次第に希望の光を見出し始めるプレシャスだった。
＊＊感想＊＊(ネタバレあり)
★★★★★
観終わったあとまず思ったこと、モニークの演技が衝撃的だった！
プレシャスを虐待したり、暴言を吐いたり、最初はなんてひどい母親だと思って、その演技力も凄いんだけど、最後に自分の寂しさやらを語る場面で少しでも観客に同情させてしまうモニークも凄かった。もちろんひどい母親には変わりないんだけどね。結局プレシャスに対する本当の気持ちもわからなかったのが残念。一緒に住みたいとか言いつつ、単なる嘘かもしれないし。
過酷な状況に耐えるプレシャスも凄いと思った。１６歳で２人目の子供を妊娠して、産んで自分で育てたいっていう意志が素晴らしい。勉強して成長していくプレシャスもよかった。プレシャスも他のクラスメイトもそうなんだけど、この時代のハーレムってこんなに過酷な環境だったのかと思うと、自分は本当に恵まれているなってしみじみ思う。あとやっぱり「白人世界（白人市場？）」がまだ根強いというか、プレシャスが憧れていた先生も白人だったし、部屋に飾ってあるポスターもプレシャスが鏡に映った別人を想像するのも白人だった。そういう時代背景を垣間見れたのがよかった。
レインを演じたポーラ・パットンが美しかった。プレシャスを支える姿も泣けた。
あと普段はケバいマライア・キャリーが恐らくほぼすっぴんで出演していて、素のマライアが観れた気がしてファンとしては嬉しかった。
でもやっぱり一番印象に残っているのはプレシャスの母親かな。